齋藤和哉建築設計事務所

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東九番丁のハウス

東九番丁のハウス
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庭とつながる大きな吹き抜けを持つ2世帯住宅である。

東九番丁は仙台駅から南へ1.5kmに位置し、以前は城下町であった。400年前から寺屋敷が建ち並び、いまも当時の姿を残している。その影響もあってか市街地に近いがどことなく大らかな雰囲気を感じさせる町並みである。敷地は通りから一本細い道を入った北側接道の南北に長い更地。四方を住宅で囲まれているものの、東側には私道が走り南側には隣家越しに寺院の桜が見えるなど、空間的な抜けを持つ環境であった。

施主であるご夫婦はもともと近所で鍼灸整骨院を営んでおり、父親や愛犬と同居しながら職場へ通うためにこの土地を購入した。そういった経緯を踏まえバリアフリーを前提としながらも、車や音楽、アウトドアや読書など多趣味な生活そのものを内包できる、開放的で豊かな空間が求められた。また施主は目指すべき住宅像を明確に持っており、それをこの土地でどう実現するかも我々の大きな課題となった。

打ち合わせを重ねる中で、庭と連続した大きな吹き抜け(=LDK)を優先すべきという結論に行き着いた。そこでまず住宅を敷地の西側に寄せ、東側に住宅と同じ長さの庭を設けた。それぞれが庭に向かって開口部を持つようLDKや寝室、水廻りを住宅の東側にまとめた。住宅の西側には道路から段差なく南北に貫くコンパクトな動線を配した。その結果、庭を通して大らかな敷地環境を感じることができる、明るく風通しの良い室内空間を実現している。

LDKは住宅の中心的な役割を担うが、快適な室内環境をつくり出す装置でもある。夏は重力を利用した自然換気、冬は薪ストーブと床暖房による自然対流をうながす。また外壁には木材と左官材を、内部には土間と足場板と黒鉄を、という要望に応える形でさまざまな素材を用いている。全体と部分が調和するディテールを検討し、デニムでスーツを仕立てるような、ラフだが崩しすぎないバランス感覚を心がけた。

© 2010-2017 KAZUYA SAITO ARCHITECTS