KANAHEBISUI Shrine Gaien SandoTerrace
参拝者と神社をつなぐ、地域に開かれた休憩所である。金蛇水神社は山あいの堤を水源とする沢が平野に流れ出す谷の出口に鎮座している。沢と堤、それぞれが持つ流れと溜まりの要素をこの建築に取り込もうと考えた。円弧状の参道を敷地内に通し、参拝者の流れをつくり出した。その両側に休憩棟と牡丹棟を配し、人びとが溜まる場を設けた。周辺の自然や光、風を建物内に取り込みつつ、参拝者が自ずと境内に足が向くよう、全体構成を平面的にずらした。参道の上と下では2.2mのレベル差があるため、階段とスロープ、平場をもとの土地の勾配に擦り付けるように組み合わせた。ふたつの切妻を組み合わせたひとつの大きな屋根で覆い、周辺の山並みになじむ高さに抑えつつ、全体を一体的な空間として設えた。神社は祭事と日常とで使われ方が大きく変わる。お祭りの時は架構の下が賑わいを見せ、終われば静謐な参道に戻る。それは建築のような道でもあり、道のような建築でもある。
- 竣工
- 2020.04
- 用途
- 飲食店、展示、物販店、事務所
- 計画地
- 宮城県岩沼市
- 敷地面積
- 2,332.72 ㎡
- 建築面積
- 1,014.34 ㎡
- 延床面積
- 1,014.34 ㎡
- 構造
- 木造
- 規模
- 地上1階建て
- 設計
- 齋藤和哉建築設計事務所
- 構造設計
- yAt構造設計事務所
- 設備設計
- E.I.S設備計画
- 照明設計
- 岡安泉照明設計事務所
- 写真
- 阿野太一
- クライアント
- 金蛇水神社